師長に聞く　在宅医療に携わって

　在宅医療は、患者様やご家族と接する時間が長いので患者様のご家族と一体になって看護することが出来、患者様やご家族と信頼関係が築けるのだと思います。患者様の悩み、ご家族の悩みに相談に乗ることも多く、一緒に悩み、考え、少しでも患者様やご家族の方のお役に立てればと思い訪問しております。　私だけでなく、訪問看護に従事する者がうれしさを感じることがあります。病気が徐々に良くなったり、リハビリによって動けなかった方が動けるようになったりするのはもちろんですが、何より嬉しい事が患者様の笑顔です。看護の中のなにげない会話やご家族との会話の中で笑顔を見るたびに看護をしている私達が逆に患者様に癒されております。入院し、ベッドのなかで天井や毎回変わらぬ病院の風景の中では決して見ることが出来ない笑顔だと思います。

　在宅医療とは特別なことではありません。私達は皆様が生活している日常の一コマに関わっているにすぎません。ただ入院と違い皆様のご自宅に看護士や医者がお伺いしているだけなのです。ご自宅でご家族やご近所の方達、ご友人に囲まれて今までの生活様式を変えることなく、ご自宅で療養することが出来るということなのです。　

病気をしないことは幸せな事です。しかし、例え病気になってしまっても幸せな人生、豊かな人生を送る事が大切だと思います。そのひとつの方法として看護士の私達が、ご家族と共に豊かな人生を送るために何かお手伝いできれば幸いだと思っております。